こんにちは。
アメリカでは歯列矯正をしている方が本当に多いですよね…!
子供はもちろん、大人でも「最近やっと歯列矯正終わったんだ~」と言っている方に何人も会いました。
日本からアメリカに来られた方の中にも、歯列矯正を始めてみようかな?と思い始めた方も多いのではないでしょうか。
今回はアメリカで歯列矯正を始めた私の経験を書こうと思います!
私個人のケースにはなりますが、歯列矯正を始めるまでにやったことや調整日の流れ、その他気になることについて書いてみるので、少しでも何か参考になることがあればうれしいです!
【過去のレポートシリーズ】
初めてアメリカの病院に行ってファミリードクターに会った時の話
アメリカのカイロプラクティックに通ってるよ。値段や手順、痛みなど
※当然ながら保険加入状況や各病院によって状況は異なると思うので、一個人の日記のようなものだと思って読んでくださいね。
なぜ歯列矯正を始めたのか
わたしは日本にいた時から歯列矯正をしたいなと思っていました。
私はもともとかみ合わせが悪く片側の顎でしかものを噛むことができなかったのですが、そのせいで様々な日常の不便や健康面での不安を感じていました。
そんな中アメリカに行くことが決まり、せっかくなら歯列矯正が日本よりもメジャーなアメリカでしよう!と思っており、渡米後3か月後に矯正治療を始めました。
歯医者さんに矯正歯科を紹介してもらう
日本のように治療の歯科と矯正歯科は分かれているようで、治療や健康診断をする歯医者さんはDental clinic、矯正歯科はOrthodontics(オーソドンティクス)と呼びます。
まず最初にファミリーデンティストの登録と健康診断のついでに歯医者さんに行きました。
自分の保険会社のサイトから近くの歯科医院(つまりDental clinic)を探して、「初診なのですがこの先生に診てもらえますか?」と電話で予約。
わたしはそこで診てくれた歯医者さんに「歯列矯正した方がいいと思ってるんですけど、どう思いますか?」と聞きました。
すると歯医者さんは「噛み合っていない箇所がいくつかあるので、いいと思いますよ!紹介状を書きますね。」と言い、わたしの加入している保険会社と住所を聞いてその条件に合った先生を見つけてくださいました。
矯正歯科の名前や住所などの情報が書いたメモをもらい、帰宅しました。
ウェブサイトから予約
次は矯正歯科にアポの予約。
ウェブサイトの予約フォームから連絡ができるようになっていたのでそこから申し込むと、住所氏名などのプロフィールやこれまでの治療状況に関するアンケートが送られてきたので、PDF上に記入して送り返しました。
以降は受付の人とメールのやり取りにて日時の調整をしました。
初診は検査と見積り
初診の日には歯の写真やレントゲンを様々な角度から撮影し、矯正歯科医師にどのような治療が必要か教えてもらいました。わたしの場合、抜歯の指示はありませんでした。
日本で見積もりを取った時は、全額で100万円以上はかかるし月1で調整に来てもらうと思う。と言われていましたが、アメリカの矯正歯科では、保険が効いたこともあり全額でおよそ50ドル、3か月に1度の調整に来てもらう、と言われました。
一旦家に持ち帰り、後日契約をしました。(契約といってもクレジットカードを渡しただけですが…)
プラス10万円程度で矯正治療の進みを早くするライト(自宅で使う)が購入できるといわれましたが、特に急いではいないので購入は見送りました。
以降、ワイヤーによる矯正治療を続けています。
歯列矯正の調整日のルーティーン
ここからは、数月に一度の調整日にどんなことをしているのか具体的に書いてみようと思います。
治療内容は人それぞれであり、全員がこれに当てはまらないと思いますがこれも参考までに。
予約した日時に矯正歯科に行く
事前に歯磨きをできればしてから行きますが、わたしの歯医者さんには歯磨きセット一式がそろっているので着いてから磨くこともしばしばです。
地味にびっくりしたのは歯医者の受付なのにコーヒーとか紅茶がガンガンおいてあるところ…!
クッキーが置いてあることさえもあります。アメリカっぽい。笑
待っていると名前を呼んで半個室の治療室に連れて行ってくれます。
治療開始
最初は歯科衛生士さんがレントゲンを撮影したり、矯正器具を取り換えたりと奮闘してくれます。
本当に「奮闘」って感じでふんふんうなりながらレジンで矯正器具を歯にくっつけたり、長さ調節のためにワイヤーを切断したり、狭い口の奥に器具を取り付けたりしてくれます。(治療中痛みを感じることは一切ないですよ!)
余談ですが、日本と同じようにアメリカの歯科衛生士さんもびっくりするほど女性が多いです。私の通っている矯正歯科は結構大きいのですが、女性以外の歯科衛生士を見たことがありません。人種は白人黒人アジア人全員見たことがあります。
最後に一瞬だけ歯科医が来て確認をした後、また歯科衛生士さんが新しいワイヤーを通します。
この工程だけで毎回30分~くらいかかります。
若くて経験の少ない歯科衛生士さんが担当だと、やり直したりベテランの人を呼んできたりなどして1時間くらいかかっています。
質問タイム
全ての治療が終わった後のこの時間に
「この前の調整後に歯がじんじんして耐えられなかったんだけどなんとかできますか?」と聞いて鎮痛剤をもらったり、
「もしボトックスをするならどの病院がおすすめですか?」と聞いて、腕のいいお医者さんの名前を教えてもらったりしています。(とりあえず聞くだけ聞いてまだ行ってはいません)
そもそもわたしはワイヤー矯正は初めてだし、鎮痛剤1つとっても異国の地でどれ買えばいいのかわからない状態だったので、この時間をフル活用しています。
私の通っているところの歯科衛生士さんはみんな優しくて親しみが持てる方ばかりなので、行くたびに心が温まります。
次の予約を取って終了
最後に歯科衛生士さんが「彼女、次は何月に来ます」と受付の方に伝えてくれるので、受付の人と具体的な日時を決めてから帰宅します。
後々予定を変えたくなった場合は、受付の方にメールをして日時を変更してもらうこともあります。
気になるところ
矯正治療に保険は効くのか
矯正歯科治療に保険が適用されているかどうか。
これは加入している保険会社や加入している保険のプランによります。
別のパターンを経験していないのでこれしか知らないのですが、渡米後に夫の保険に加入する際、保険適用の範囲を自分で決めました。
当時わたしは歯列矯正する気満々だったので、歯も範囲に入れてもらったのでした。各保険会社にって違うかもですが、歯と眼は範囲に入れないという選択肢もあるようですね。
歯の保険適用範囲の中にも普通の治療までなのか歯列矯正までなのか、という違いがありそうです。
友人は自分も歯列矯正したいけど、加入している保険がそこまで適用されないからできないんだよね…と言っていました。
もし歯列矯正する際は、まずは自分が加入している保険の適用範囲をチェックしてみてください。
治療にあたって言葉の壁は大丈夫なのか
日本の歯医者のように、治療中は口を開いて治療してもらうだけなので特に問題はありません。
矯正歯科は”歯列矯正の治療をする”という確固たる目的があるので、何言ってるかよくわからなかったとしても次何をすればいいのか、何をしようとしているのかは何となく予測できると思います。
ただし英語に自信がない方は初診のコンサルティングは英語ができる人についてきてもらうのがおすすめです。
治療費の支払いの話もあるし、抜歯含む大規模な歯列矯正をする方は治療によるデメリットもちゃんと理解できる状況にしておいた方がよさそうです。
ワイヤーの見た目
目立ちにくい白いワイヤーや透明のワイヤーも選択肢にあると思っていましたが、私が行った矯正歯科にはありませんでした。
見た目を気にする方は事前に確認しておいてくださいね。
↓矯正中の歯の写真があります
ちなみにわたしは誰もが矯正歯科をしている中、特に気にならなかった(し選択肢がなかった)ので一般的な銀色のワイヤーで矯正をしています。
私の行っている矯正歯科は、もし希望するのであればワイヤーに色のついたゴムの飾りをつけてもらうこともできるとのことでした。
矯正治療中に辛いことは?
口が十分に動かせなくなる
やはり矯正治療中は痛いし不便なので渡米後十分に落ち着いてから始めることをおすすめします。
私のケースですが、ただでさえ英語の発音は日本人の私にとって難しいのに矯正器具をつけることでさらに話しづらくなります;
色々な手続きや新居のためにいろいろなものを購入したり、新しい友達を作ったり…と人と話す機会が多い時期にうまく口が動かせないのは大変です。
調整後35時間経つと地獄
また、調整後(ワイヤーを締めなおしてさらなる歯の移動を促す処置をした後)35時間経過したころに何も手がつかないくらいの痛みを感じます。
痛くてのたうち回るって感じではないですが、じわじわとでも絶対に無視できないほどの痛みが襲ってくるので集中力が全く続かなくなります。本当に何も手につかず廃人みたいになる…!
もし海外赴任とかで仕事始めたばっかり…の状況だとかなりつらいと思います。一応イブのような痛み止めで緩和できますがそれでも耐えられない人はいると思います。
口内の傷がずっと消えない…
矯正器具がやわらかな口の粘膜を傷つけ続けると、そこに口内炎や傷ができます。
だからといって勝手に矯正器具を外すことはできないので口内炎や傷があるのに延々とそこを傷つけられ続け、一向に治らない…という苦しみもあります。
歯科矯正用のワックスという矯正器具が口に当たらないようにを覆うガムのような道具もありますが、ご飯食べていると取れてしまうこともあるし、なかなか上手に取り付けられない場所もあります。(奥歯の後ろの方とか)
いつもはなんてことない場所でも、疲労で免疫力が落ちると途端に傷ができることもあるし、調整後に矯正器具の位置が変わると今までなかった場所に痛みが発生することもあります。
わたしはこれを書いている今がまさにそんな状況で、今回は下の奥歯にどうしても頬壁に触れてしまう器具のでっぱりがあり、食事のたびにチクチクと痛みます。
一度傷つけてしまうとそのあとにワックスをつけても痛む、でも傷ついてはじめて器具が口と触れていることに気づくので予防はできない。となかなか難しいです。
歯磨きが大変
矯正中はワイヤーがある分虫歯になる可能性が高いです。
日本のように虫歯治療がほんの少しの料金で直せる国でもないですし、普通の歯ブラシや小さいブラシ、デンタルフロスなどいくつもの道具で細かく磨く必要があります。
わたしはもともとデンタルフロスを使っていたし、この作業は嫌いではないのですがなかなか面倒です!笑
食べられないものがある
日本とは全く異なる文化のアメリカではただでさえ食べ物の選択肢が狭くなりますよね。
矯正中(特に調整後1週間ほど)は固いものや繊維質のものを噛むと激痛が走ります。ハンバーガーやホットドッグのような大きいものにがぶっと噛みつくときもすごく痛いです;
矯正を始めるのはもう少しアメリカの食文化を研究してからでもいいかも…!
わたしは調整後はヨーグルトやJELL-Oのチョコプディングなどを買って過ごすこともあります。(毎回味や銘柄を変えてお試し感覚で食べるとちょっと楽しい)
アメリカにも日本のようにウィダーのような甘さ控えめのゼリー飲料があるといいのになあ…!
引っ越すことになったらどうする?
矯正治療は通常2年間ほどかかりますが、その間に引っ越す可能性はありますよね。何なら違う国へ引っ越す可能性もぬぐえません。
私もその心配があったので初診時にお医者さんに質問してみると、
「わたしは世界中に知り合いの矯正歯科医がいるので、どこに引っ越すことになっても誰かしら引き継ぎの人を紹介できますよ」と言われました。
ちゃんとこれまでの治療内容も引き継ぎしてもらえるならと安心しました。
また、費用は治療が進んだところまでの支払いで、残りは返金されるようです。
各病院で方針が違うと思うので、初診時に上記のことを確認しておくとよいと思います。
初診時に確認すべき点
最後に、これまでの話を踏まえて初診時に確認しておくとよいことをまとめます。(当然聞くでしょ!ってことばかりですが;)
・保険適用の有無
・トータルの金額
・抜歯の有無
・治療完了までにかかる時間
・何か月ごとの通院になるか
・引っ越すことになった場合の具体的な措置
アメリカで矯正歯科で矯正を始めて私はもう半年以上が過ぎましたが、既に外から見えるところは歯並びがすごくキレイになりました!
せっかく歯列矯正大国のアメリカにいるなら思い切ってやってみませんか?
医療費はどんなことでも日本より高い印象があるアメリカだけど、歯列矯正に関しては(加入している保険によっては)日本の半額以下で歯列矯正できるなんて…ね!
カウンセリングだけ受けることもできますし、気になった方は行きつけの歯医者さんで相談してみてくださいね。
最後まで読んでくださりありがとうございました~!
追記:思いのほか早く終わった
なんと20か月
噛み合わせの悪い奥歯を除いてはそこまで歯並びがひどくなかったので(一部がゆがんでいる感じだった)、思いのほか早く終わりました。
矯正と言うと2年とか3年かかるのが当たり前なイメージでしたが…かかった期間はなんと全部で20か月(1年と8か月)だけでした。
ある日3か月に一度の調整に行ったら先生に「これ毛今週中にとっていいよ!うれしい?ねえうれしい?」と言われました。笑 個人的にはこんな早く終わると思っていなかったので逆に不安になったし、日本ほどではないけどまとまったお金を払ったし、もっと長くやればもっときれいにそろうのでは…?と思ってしまいました;がそれだけ早かったんですよね。もちろん歯の状態はそれぞれなのでかかる時間も人それぞれですが私の場合は上記のようでした。
終わると言われた一週間後にすべての器具を歯から取り外し、リテーナー(歯が戻るのを防止するマウスピース)の型をとりました。
リテーナーはすぐ出来たので、3日後くらいに受け取りに行き、そのときにリテーナーを入れるプラケースと、リテーナーの洗浄剤をいくつかもらいました。
リテーナーをもらったあとの3か月間は一日の内16時間はリテーナー装着(寝ている間と食事以外はほぼつける感じ)、その後3か月は12時間、そのあとは寝るときだけつけるという指示でした。
リテーナーは自分の歯型ぴったりのマウスピースで、透明の軽いプラスチックでできているのでパッと見はつけていることがわかりにくいものです。(でも口の動きが制限されるので上手には話せない)
これをつけたまま食べるのは難しいですが、飲み物はいけます(でも虫歯ができやすく、色素の強い飲み物は歯に着色しやすくなるので非推奨)。
リテーナーは一生もの
一般的に知られていない気がしますが、大人になってから矯正をしたあとは夜だけでもこれを一生着けていないと歯は元の位置に戻ってしまうそうです。(わたしは日本にいるときその事実を知り、ひるみました。笑)
実際に義母は20年前に矯正をしたそうですが完全に戻ってしまったそうです。
義母の歯並びを見ると確かに絶対リテーナーがはまらないだろうなと思うくらい歯が歪んでしまっていました…!
リテーナー作成まで終わった後で違う国に引っ越してしまうと、歯型のデータは元の国に残るために破損や紛失の際にその国まで作りに行かなくてはなりません。(取り寄せとかできるのかもしれないけど、言語や法律が異なる状況だと難しそう)
義母も矯正した後にそこから遠く離れた国に引っ越したので、リテーナーが経年劣化で割れたとか失くしたとかしていたとすると、新しいものを作れなかったのかもしれません。
もし同じような状況になりそうな方がいたらお気をつけてください!